医療法人社団 中部産婦人科医院
里帰り出産コラム

里帰り出産を考えている方へ|時期や手続き、準備するもの

妊娠が分かると、これからどこで出産するのか、産後はどのように過ごすのかを考える機会が増えてきます。自宅近くの産院で出産する方法だけでなく、実家や親族の住まいの近くに移動して出産する「里帰り出産」を選ぶ方もいます。家族に見守ってもらいながら出産を迎えられることに安心を感じる方もいます。


ただし、里帰り出産では、妊娠中に通院先が変わるため、分娩予約や紹介状の準備、移動する時期の調整が必要です。受け入れの条件や初診の期限は産院ごとに異なります。希望する場合は、早めに情報を集め、ご家族や医師と相談しながら準備を進めましょう。

里帰り出産とは

里帰り出産とは、妊娠後期に実家や親族の住まいの近くへ移動し、その地域にある産婦人科で出産する方法です。妊娠初期から中期までは現在住んでいる地域の産院で妊婦健診を受け、出産が近づく前に里帰り先の産院へ移る流れが一般的です。


出産後は、体調や赤ちゃんの様子を見ながら一定期間を実家で過ごし、生活が落ち着いてから自宅へ戻ります。里帰りする時期や初診の期限、分娩予約の方法は産院によって異なるため、希望する施設が決まったら早めに問い合わせてください。

里帰り出産を選ぶ理由

里帰り出産を選ぶ主な理由は、妊娠後期から産後にかけて家族の支援を受けやすいことです。出産後は授乳やおむつ交換、寝かしつけなどが昼夜を問わず続きます。食事の準備や洗濯、掃除などを家族に任せられる環境は、体を休める助けになります。


パートナーの帰宅が遅い、近くに頼れる人がいない、初めての育児に不安がある、上の子のお世話が必要といった事情も、里帰りを検討する理由になります。ただし、実家でも十分な支援を受けられるとは限りません。誰がどのような家事を担当するのか、赤ちゃんと過ごす部屋はあるかなど、具体的に確認しておきましょう。

分娩予約の進め方

里帰り出産を希望する場合は、出産予定日が分かった段階で候補となる産院へ連絡します。


申し込み時には、妊娠週数、出産予定日、初産か経産か、現在通院している医療機関などを確認されます。持病や服用中の薬、帝王切開の経験、過去の妊娠や出産で指摘されたことがある場合も、正確に伝えてください。妊娠経過によっては、設備が整った医療機関での管理が必要になることもあります。

転院する時期と必要な書類

妊娠経過に問題がなければ、妊娠32週から34週ごろまでに里帰り先の産院を受診するよう案内されることがあります。ただし、受診期限は施設ごとに異なります。予定より早く陣痛や体調の変化が起こる可能性もあるため、期限ぎりぎりの移動は避けることが大切です。


転院する際には、現在通院している産院から紹介状を作成してもらいます。紹介状には、これまでの妊婦健診の結果や検査内容、妊娠経過などが記載されます。母子健康手帳、健康保険証、検査結果、お薬手帳も準備し、転院前後で健診の間隔が空きすぎないように日程を調整してください。

移動前に確認したいこと

妊娠後期はお腹が大きくなり、長時間同じ姿勢で過ごすことが負担になります。電車や自動車で移動する場合は、途中で休憩を取り、水分補給をしながら無理のない日程を組みましょう。混雑する時間帯を避け、荷物を事前に送っておくことも体への負担を減らす方法です。


出血、強い腹痛、規則的なお腹の張り、破水が疑われる症状、胎動の減少がある場合は、移動を始める前にかかりつけの産院へ連絡してください。体調に問題がなくても、母子健康手帳や紹介状、健康保険証はすぐに取り出せるバッグへ入れておくと安心です。

妊婦健診の費用と手続き

妊婦健康診査受診票は、住民票がある自治体から交付されます。里帰り先が別の都道府県にある場合、受診票をそのまま使用できないことがあります。その場合は、健診費用を医療機関の窓口で支払い、後から自治体へ申請して助成分の払い戻しを受ける償還払いとなることがあります。


申請時には、領収書、診療明細書、未使用の受診票、母子健康手帳の写しなどが必要です。申請期限や払い戻しの上限額は自治体によって異なります。産後の健診や赤ちゃんの検査も対象になる場合があるため、里帰り前に住民票がある自治体へ確認し、領収書を大切に保管してください。

無痛分娩や出産時の希望

里帰り先で無痛分娩を希望する場合は、通常の分娩予約とは別に申し込みや説明会への参加が必要なことがあります。産院によっては、妊娠34週までに無痛分娩教室の受講を案内しています。希望する方は、受け入れの可否や申し込み期限を早めに確認しましょう。


無痛分娩は、妊婦さんの体調や分娩の進み方、医療体制によって実施できない場合もあります。費用や麻酔を開始する条件、夜間や休日の対応についても確認が必要です。立ち会い出産や入院中の過ごし方など、出産時に大切にしたいことがあれば、バースプランとして医師や助産師へ伝えてください。

産後の生活と自宅へ戻る準備

出産後に実家で過ごす目的は、体を休めながら赤ちゃんとの生活に慣れることです。授乳や抱っこ、おむつ交換、沐浴などで不安を感じたときは、入院中に助産師へ相談してください。退院後の生活を具体的にイメージし、必要な育児用品や寝る場所も整えておきます。


自宅へ戻る時期は、産後健診の結果や体の回復、赤ちゃんの体調、移動距離などを考えて決めます。自宅に戻ってから家事や育児が1人に集中しないよう、パートナーとの役割分担や自治体の産後ケアについても確認しておくと安心です。里帰り中だけでなく、その後の生活まで見通して準備することで、赤ちゃんとの新しい暮らしを始めやすくなります。