医療法人社団 中部産婦人科医院
帝王切開コラム

帝王切開とは?必要になる理由や手術の流れをわかりやすく解説

妊娠中は、赤ちゃんに会える日を楽しみにしながらも、出産への不安を感じることがあります。痛みや入院生活、赤ちゃんの状態など、気になることが増えるのは自然なことです。

出産は、予定通りに進むこともあれば、体調や赤ちゃんの状態に合わせて判断が変わることもあります。あらかじめ出産方法について知っておくことで、いざというときも気持ちを整理しやすくなります。

帝王切開とは?

帝王切開とは、麻酔を行ったうえでお腹と子宮を切開し、赤ちゃんを取り出す出産方法です。経腟分娩が難しい場合や、分娩を続けることでお母さんや赤ちゃんに負担がかかると判断された場合に行われます。手術という言葉に不安を感じる方もいますが、必要な場面では母子の安全を守るための大切な選択です。


帝王切開には、妊娠中から手術日を決めて行う予定帝王切開と、妊娠中や分娩中の状況に合わせて行う緊急帝王切開があります。予定して行う場合も、急に決まる場合も、医師が妊娠経過や赤ちゃんの状態を確認しながら判断します。どちらの場合も、目的はお母さんと赤ちゃんが安全に出産を迎えられるようにすることです。

帝王切開が必要になる主な原因

帝王切開が選ばれる理由は1つではありません。赤ちゃんの向きや大きさ、お母さんの体の状態、胎盤の位置、過去の出産歴、お産の進み方など、さまざまな要素が関係します。予定帝王切開では、逆子、多胎妊娠、前置胎盤、以前に帝王切開を受けたことがある場合、子宮の手術歴がある場合などが理由になることがあります。


緊急帝王切開では、分娩中に赤ちゃんの心拍に気になる変化がみられた場合や、お産がなかなか進まない場合、お母さんの体調に急な変化があった場合などに判断されます。妊娠高血圧症候群、胎児機能不全、胎盤からの出血などでは、時間をかけて様子を見るよりも、早めに赤ちゃんを取り出した方がよいと判断されることがあります。

帝王切開の手術の流れ


帝王切開では、手術前にお母さんの体調確認、赤ちゃんの心拍確認、点滴、消毒、麻酔の準備などを行います。予定帝王切開では、下半身を中心に麻酔を効かせる方法が用いられ、意識がある状態で赤ちゃんの誕生を迎えられます。


帝王切開のメリットと注意点

帝王切開の役割は、経腟分娩を続けることでお母さんや赤ちゃんに危険が及ぶ可能性がある場面で、出産を安全な方向へ進めることです。逆子や前置胎盤など、事前にリスクがわかっている場合は、あらかじめ手術の準備ができます。また、分娩中に赤ちゃんの状態が心配になった場合も、帝王切開に切り替えることで早く出産へつなげられることがあります。


一方で、帝王切開は手術であるため、出血、感染、血栓症、麻酔に伴う影響、術後の痛み、傷の違和感などに注意が必要です。経腟分娩と比べて産後の回復に時間がかかることもあります。必要な医療処置であっても、体への負担はあるため、産後は無理をせず、医師や助産師に相談しながら回復を進めることが大切です。

帝王切開後の過ごし方

帝王切開後は、麻酔が切れるにつれて傷の痛みや子宮収縮による痛みを感じることがあります。痛みを我慢しすぎると、寝返りや歩行、授乳、赤ちゃんのお世話がつらくなりやすいため、必要に応じて痛み止めを使うことがあります。授乳は姿勢をとりにくいことがありますが、クッションを使ったり、横向きの姿勢を工夫したりすることで負担を軽くできる場合があります。


術後は安静にするだけでなく、状態に合わせて少しずつ体を動かすことも大切です。血栓を予防するため、医師の許可を得たうえで早めに歩き始めることがあります。傷口の赤み、腫れ、強い痛み、発熱、悪露の異常、息苦しさ、脚の浮腫などがある場合は、自己判断せず医療機関へ相談してください。

次の妊娠や出産への影響

帝王切開を経験した場合、次の妊娠では子宮の傷あとを考慮する必要があります。子宮は一度切開して縫合しているため、妊娠中や陣痛時に傷あとへ負担がかかることがあります。そのため、次回の出産方法は、前回の帝王切開の理由、子宮の切開方法、妊娠経過、赤ちゃんの状態、医療機関の体制などをふまえて判断します。

帝王切開後の妊娠では、前置胎盤、癒着胎盤、子宮破裂などに注意が必要になることがあります。帝王切開で出産した記録は母子健康手帳などに残し、次回の妊娠時に医師へ正確に伝えることが大切です。不安がある場合は、妊婦健診の際に手術の理由、流れ、術後の痛み、赤ちゃんとの過ごし方、次の妊娠への影響まで相談しておくと、安心して出産に臨みやすくなります。